「LEDだから紫外線は出ない」は、表示の読み違えから来ている
ネイルライトの多くはLEDと書かれて売られています。そこから「紫外線が出るのは古いUVライトだけ」という理解が広まりましたが、LEDというのは光の作り方の呼び名であって、出てくる光の波長を示す言葉ではありません。実際、ネイル用のLEDライトは紫外線の領域に届く波長を出しています。
この記事では、波長の数字と紫外線の定義を突き合わせ、メーカー自身が取扱説明書に何と書いているかを見たうえで、米国皮膚科学会(AAD)が挙げている対処までを扱います。効果や安全性を保証する記事ではありません。露光がどれくらいかを自分で見積もり、防護と頻度を決めるための材料を並べます。
結論:ネイルライトの波長表示は、紫外線の定義域と重なっている
気象庁は紫外線を波長で分類し、UV-Aを315〜400nm、UV-Bを280〜315nm、UV-Cを100〜280nmと定義しています。一方、ネイルライトの公式表示は365〜405nmや395〜405nmです。どちらの表示も400nm未満の区間を含んでいるため、そこはUV-Aの定義域に重なります。
したがって、露光をゼロだと見なす前提は取れません。メーカーの取扱説明書も、紫外線を照射する機器として警告を書いています。ここから先は「出ているか出ていないか」ではなく、どれだけの時間・どれだけの回数・どの範囲に当てるかを自分で調整する話になります。
光源タイプで対応ジェル・硬化のしやすさ・寿命の傾向が変わります
・特定波長を出す。対応ジェルが必要
・立ち上がりが速く消費が少なめの傾向
・素子寿命が長い傾向
・複数波長でUV/LEDジェル双方に対応しやすい傾向
・W数・波長はモデル差が大きい
・硬化の可否はジェルとの組み合わせ次第
硬化の可否・時間はジェルの種類とライトの波長・W数の組み合わせに依存します。対応表はジェル・ライト双方の公式表示でご確認ください。
波長表示のどこが紫外線の領域なのか
ジェルネイル用ライトの主流は395〜405nm帯で、これは紫外線と可視光の境目にあたります。境目という言い方が曖昧に響くなら、数字で切ってください。気象庁の定義に従えば400nmが境界で、それ未満はUV-Aです。
| 公式の波長表示 | 400nm未満(UV-A域)を含むか | 該当する機種の例 | |
|---|---|---|---|
| ○ | 365〜405nm | 含む | PureLumi LEDライト 24/48W、シャインLED 54W、プチトルCube 12W、ウイングLED 6W |
| ○ | 395〜405nm | 含む(395〜400nmが該当) | ピュアシャインLED 48W、クリスタルアーチLED 9W |
| △ | 405nm(単一値の表示) | 公表値からは判断できない | GRANJE ネイルキュアライト4(帯の幅は非公表) |
帯の狭い機種を選べば露光が小さくなる、と単純化はできません。395〜405nmの機種でも400nm未満の区間は含みますし、実際に肌へ届く量は、その区間にどれだけの強さの光があるか(放射照度)と、当てている時間の積で決まります。放射照度はほとんどの製品で非公表なので、波長表示だけを見て機種間の露光量を比べることはできません。
プチトルはCube 12WとウイングLED 6Wの商品ページで、可視光をほとんど放射せずに近紫外線(ピーク波長400nm)を効率よく放射する、と自ら説明しています。硬化に効く光の中心が、まさに紫外線の境界付近に置かれているということです。
メーカーの取扱説明書は、紫外線が出る前提で書かれている
プチトルのピュアシャインLED 48Wの取扱説明書には、警告として「本製品は強力な紫外線を照射しますので、UV-LEDの光源を覗き込んだり、直視したり目に当てないでください。目を傷めるおそれがあります。(鏡や反射板等による反射光にもご注意ください。)」と書かれています。同じ文言は、USB給電の小型機であるウイングLED 6Wの取扱説明書にも載っています。W数や形状にかかわらず、メーカーは紫外線を照射する機器として扱っています。
同じ警告欄には、ジェルネイル硬化以外の用途で使用しないこと、皮膚や爪に異常が見られた場合は使用を中止して医師に相談すること、小さなお子様の手の届かない場所で使用・保管することも並んでいます。手の露光だけでなく、目に向けないこと、反射光にも注意することが明記されている点は、売り場の商品説明では目立ちません。
ここから取れる行動は具体的です。ドームの開口部を自分の顔に向けて置かない。照射中に中をのぞき込まない。鏡やガラス天板の上でドームを外して使わない。いずれも道具を買い足さずにできる調整です。
米国皮膚科学会(AAD)が挙げている対処
AADはジェルマニキュアについて、爪のもろさ・剥がれ・割れを起こし得ること、そして繰り返しの使用が手の皮膚がんと皮膚の早期老化のリスクを高める可能性があることを挙げています。そのうえで、施術前の防護と頻度について具体的な推奨を示しています。
| 対処 | 判定 | 内容(AADの推奨) | |
|---|---|---|---|
| ○ | 日焼け止めを塗る | 推奨 | 施術前に、SPF30以上の広域スペクトラム(broad-spectrum)・耐水性の日焼け止めを手に塗る |
| ○ | 指先を出す手袋を使う | 推奨 | 指先を切り取った、濃い色の不透明な手袋を、ポリッシュを塗る前に着用する |
| ○ | 頻度を絞る | 推奨 | ジェルマニキュアは特別な機会に限ることを検討する |
| ○ | 爪を休ませる | 推奨 | 施術の合間にポリッシュを休む期間を設け、爪の回復に時間を与える |
| △ | 波長の狭いライトを選ぶ | 条件付き | 395〜405nm表示でも400nm未満は含む。放射照度が非公表のため、機種間の露光量は公表値からは比較できない |
| × | 「LED表記なら紫外線は出ない」と考える | 適さない | LEDは発光方式の呼称。波長表示とメーカーの警告表示が示すとおり、紫外線の領域を含む |
AADはまた、爪に見慣れない変化がある場合や、爪の問題が続く場合には、認定を受けた皮膚科医の診察を受けるよう促しています。日焼け止めや手袋は露光を抑えるための一般的な手段として挙げられているものであり、これらを使えば影響が出ないと保証するものではありません。
露光量を決めているのは、波長より使い方
同じライトでも、当たっている時間と回数が違えば露光の総量は変わります。ここは機種選びより、手順の設計で動かせる部分です。
1回のジェルネイルで、仮硬化と本硬化を合わせて何秒ライトに手を入れているかを数えてみてください。指を分けて入れる人ほど回数は増え、片手ずつ入れる人は総時間が伸びます。ドーム型は手全体が入るぶん手の甲まで光が回り、ハンディ型は1本ずつ当てるため照射範囲は狭い代わりに、当てる回数が増えます。形状ごとの差はハンディ型とドーム型ネイルライトの違いで整理しています。
自動センサー付きの機種では、意図した秒数より長く点灯することがあります。プチトルのピュアシャインLED 48Wの取扱説明書では、センサー照射は約120秒で、手を入れている・入れていないにかかわらず約120秒で自動消灯すると書かれています。10秒だけ当てたい仮硬化でセンサー照射を使えば、そのぶん露光は長くなります。秒数を絞りたい工程では、タイマーのボタンで秒数を指定するほうが読みが立ちます。この機能の要否はセンサー付きネイルライトは必要かで扱っています。
関連: センサー付きネイルライトは必要か
波長表示と照射範囲で候補を見る
露光の話をするときに見る列は、波長表示・形状・タイマーの秒数です。以下は本文で触れた4機種の公式仕様で、順位ではなく、手のどこまで光が回るかという観点で並べています。
| 商品 | 光源 | W数 | 波長 | タイマー | 形状 | 価格帯 | 購入 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| UV+LED | 24W/48W | 365〜405nm | 5/10/30/60秒 | ドーム | 5,500円(税込) | Amazon楽天 | |
| UV+LED | 48W | 395〜405nm | 5/30/60秒 | ドーム | 5,500円(税込) | Amazon楽天 | |
| UV+LED | 12W | 365〜405nm | 30/60秒 | 折りたたみ | 2,480円(税込) | Amazon楽天 | |
| LED | 1.8W | 405nm | 2分点灯/10秒ごとに振動 | ハンディ | 楽天参考 6,600円前後 | Amazon楽天 |
列見出しをタップすると並べ替えできます。光源・W数・波長・タイマーは各メーカーの公式仕様にもとづく編集部整理です。硬化の可否は使用するジェルとの組み合わせに依存し、この表だけでは確定しません。価格は変動します。
ドーム型のPureLumi LEDライト 24/48W(365〜405nm・36灯)とピュアシャインLED 48W(395〜405nm・30灯)は、手全体を入れて一度に照射する構造です。手の甲まで光が回るぶん、日焼け止めや手袋といった防護の対象範囲も広くなります。どちらも5秒刻みのタイマーを持っており、必要な秒数だけを当てる運用ができます。
プチトルCube 12W(365〜405nm・12灯・30/60秒)は開口部が小さく、指を分けて入れる使い方になります。GRANJE ネイルキュアライト4は405nm表示のハンディ型で1本ずつ当てるため、手の甲への回り込みは少ない一方、本数分だけ照射を繰り返します。露光の総量は形状だけでは決まらない、というのはこの違いのことです。
皮膚に異常が出たときは、自己判断で続けない
照射中や照射後に、手の甲や指の皮膚に赤み・ヒリつき・かゆみ・色の変化が出た場合は、使用を中止してください。日焼け止めや手袋で対処しながら続けるという判断は、この段階では取らないでください。
メーカーの取扱説明書にも、皮膚や爪に異常が見られた場合は使用を中止して医師に相談するよう書かれています。AADも、爪に見慣れない変化や続く問題があれば皮膚科医の診察を受けるよう促しています。症状が出たときの相談先は、メーカーと、皮膚科などの医療機関です。
よくある質問
LEDライトなら紫外線は出ていないのですか
LEDは光の作り方の呼び名で、波長を示すものではありません。ネイル用LEDライトの公式表示は365〜405nmや395〜405nmで、気象庁の定義でUV-Aとされる315〜400nmの区間に重なります。プチトルの取扱説明書も、強力な紫外線を照射する機器として警告を書いています。
手袋や日焼け止めを使えば大丈夫ですか
AADは施術前にSPF30以上の広域スペクトラム・耐水性の日焼け止めを塗ること、または指先を切り取った濃い色の不透明な手袋を使うことを挙げていますが、これらは露光を抑えるための手段であって、影響が出ないことを保証するものではありません。あわせて、利用を特別な機会に限ることも検討するよう促しています。
W数の小さいライトなら紫外線は少ないですか
W数は消費電力の表示で、爪や皮膚に届く紫外線の量ではありません。届く量は放射照度と照射時間の積で決まりますが、放射照度はほとんどの機種で非公表です。W数の大小から露光量を推し量ることはできません。
露光を減らすために今日からできることはありますか
1回の施術で手を入れている合計秒数を数えることから始めてください。センサー照射に任せず必要な秒数をタイマーで指定する、指を分けずまとめて照射する、手の甲に日焼け止めを塗る、指先を出した手袋を使う、施術の間隔を空ける。いずれも機種を替えずに実行できます。
光源を直接見てしまいました
プチトルの取扱説明書は、光源を覗き込んだり直視したりしないよう警告し、鏡や反射板による反射光にも注意するよう書いています。目に違和感がある場合は使用を中止し、眼科などの医療機関へ相談してください。
まとめ
波長表示を見れば、この問題の輪郭ははっきりします。UV-Aは315〜400nm、ネイルライトは365〜405nmか395〜405nm。重なっている以上、紫外線が出ていないという前提は取れません。メーカーの取扱説明書も、その前提で警告を書いています。
そのうえで調整できるのは、防護と頻度と時間です。AADが挙げるSPF30以上の広域スペクトラム日焼け止め、指先を切り取った不透明な手袋、頻度を絞ること。そして、必要な秒数だけを当てる操作。これらは製品を買い替えなくても始められます。波長やW数の比較よりも先に、自分が1回の施術で何秒ライトに手を入れているのかを把握してください。光源方式そのものの違いはUVライトとLEDライトの違いで扱っています。
関連: UVライトとLEDライトの違い
編集部が整理した候補
ドームタイプのUV+LEDネイルライト。出力は24W/48W、波長は365〜405nmで、タイマーは5/10/30/60秒。電源方式はAC。
参考価格: 5,500円(税込)
ドームタイプのUV+LEDネイルライト。出力は48W、波長は395〜405nmで、タイマーは5/30/60秒。電源方式はAC。
参考価格: 5,500円(税込)
折りたたみタイプのUV+LEDネイルライト。出力は12W、波長は365〜405nmで、タイマーは30/60秒。電源方式はUSB。
参考価格: 2,480円(税込)
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