3点セットで売られているが、3つは横並びではない
セルフネイルの機器は「マシン・ライト・集塵機」と3点セットで並べられます。ところがこの3つは、同じ列に置ける道具ではありません。1つはジェルを固める工程そのもの、1つはその前後の削る作業を機械に置き換える道具、1つは削る道具が出したかすを受ける道具です。3つのあいだには順序があり、後ろの2つは前の1つが決まらないと必要性すら決まりません。
この依存関係を先に把握すると、最初の買い物で外す確率が下がります。ここではメーカー公式の仕様・サポート情報だけを材料にして、どれを最初に買い、どれを保留にでき、どれは「別の機器を買うと決めてから」検討すればよいのかを分けていきます。
結論:ライトは工程、マシンは時短、集塵機はマシンの付随品
ジェルネイルをするなら、ライトは買うか買わないかを検討する対象ではありません。ジェルは光が当たって固まる材料なので、光源がないと工程がそこで止まります。対してネイルマシンは、ファイル(やすり)で手を動かしている作業を電動に置き換える道具です。削る時間が長くなることを受け入れるなら、マシンを持たずにセルフジェルは続けられます。
集塵機はさらに1段後ろにいます。集塵機が吸うのは削りかすなので、削る作業の量が必要性を決めます。マシンを買わないと決めた人が最初に集塵機を検討する理由は、ほとんど残りません。順序としては、①手持ちジェルの対応波長に合うライト、②削る量が増えてからのマシン、③マシンを使うと決めた後の集塵機、という並びになります。
3機器の依存関係を1枚にする
「あると便利」ではなく「無いと何が止まるか」で並べると、3機器の性格がはっきり分かれます。○は工程に組み込まれているもの、△は別の手段で代替できるもの、×は単独では工程に関わらないものです。
| 見る軸 | ネイルライト | ネイルマシン | 集塵機 |
|---|---|---|---|
| この機械がすること | ジェルに光を当てる | ビットを回してジェル表面を削る | ファンで削りかすを吸う |
| ジェルを使うなら | ○工程そのもの | △手ファイルで代替できる | ×単独では工程に関わらない |
| 無い場合に起きること | 固める工程が成立しない | 削る時間が延びる | 粉じんが机と空気に残る |
| この機器より先に決まるもの | 手持ちジェルの対応波長 | 削る量と月あたりの回数 | マシンを使うかどうか |
| 購入の順番 | 1番目 | 2番目(不要なら買わない) | 3番目(マシンを使うなら) |
スペックを比べる前に、使う頻度と用途から絞ると失敗しにくくなります
一般的な選び方の目安です。最終的な仕様・対応可否はメーカー公式仕様・取扱説明書でご確認ください。
ライトとジェル、それにエメリーボード(プチトル公式ショップで150円・内税)があれば、塗る・固める・オフするという一巡は回ります。プチトル公式サポートが案内しているオフの手順は、マシンで爪表面のジェルを削り、その後にリムーバーを含ませたコットンを爪へ置き、揮発しないようアルミホイルで包んでジェルが浮くのを待つ、というものです。浮かせて外す後半はリムーバーが担当しており、マシンが機械化しているのは前半の「表面を削る」ところだけです。ここを分けて読めば、マシンが省いてくれる時間の範囲も見えてきます。
ライト:固める工程そのものを担当する
選ぶ起点はライトではなくジェルの側にある
ジェルが固まるかどうかは、ジェルに入っている光重合開始剤が、そのライトの波長に反応するかで決まります。プチトルはCube 12Wの公式仕様に「すべてのジェルに対応する訳ではございません。お手持ちのジェルが硬化する波長をご確認の上、ご購入ください」と明記しています。ライトを先に買って手持ちのジェルを合わせるのではなく、使い続けるジェルの対応波長表示を先に読み、それを満たすライトを探す順序にしてください。この向きを逆にすると、買い直しが発生します。
W数は消費電力であって、光の強さではない
GRANJEは自社コラムで「W数は光の強さ、パワーではありません。消費電力のことです」「消費電力が高ければ、パワーもそれだけ強い、というわけでもありません」と書いています。同社によれば、硬化スピードに関係するのは放射照度(mW/cm²)で、それに時間を掛けた積算照度(J)が積み上がることでジェルが固まります。同社のピールオフベースジェルは500mJで仮硬化が完了するとされています。実際、同社のネイルキュアライト4は1.8Wという小さな数字ですが、最大照度100mW/cm²(光源側ライトの端から4cmの位置で測定)を公表しており、放射照度を数値で出している数少ない製品です。W数の大きい順に候補を並べ替える作業は、ここで捨てて構いません。
メーカー自身の硬化時間目安が、W数で変わっていない
プチトルのネイルライトを公式ページで横に並べると、ペンライト3W・ウイングLED 6W・クリスタルアーチLED 9W・Cube 12W・PureLumi 24/48W・ピュアシャインLED 48W・シャインLED 54Wのいずれもが、仮硬化6〜18秒/完全硬化30〜60秒という同じ目安を公表しています。消費電力が18倍違ってもメーカーの目安は動いていません。逆に、同じ3WでもハンディLED 3Wだけは仮硬化8〜15秒・完全硬化1.5〜3分と別の数字です。W数が同じでも目安は揃わず、W数が違っても目安は揃うということです。
さらに踏み込むと、秒数の基準はライト側ですらありません。プチトル自身が売っているベース&ノンワイプトップジェルセットの公式ページには「硬化時間目安:UVランプ(CCFL)約90〜120秒/LED:約60〜90秒」「※ライトの出力で硬化時間は大きく変わります」とあり、同じメーカーのライト側の表示(完全硬化30〜60秒)とは一致しません。照射する秒数は、ライトの箱ではなく、いま塗っているジェルの指定を採ってください。方式そのものの違いはUVライトとLEDライトの違い、出力表示の読み方はネイルライトの48Wと72Wの違い、形の選び分けはハンディとドームの違いで扱っています。
関連: UVライトとLEDライトの違い
関連: ハンディとドームの違い
マシン:削る作業を機械にするが、工程の条件ではない
上限の回転数は、常用する回転数ではない
URAWAはG5の公式ページで「弊社ネイルマシン最高回転数28,000rpm。回転する力(トルク)も最も強いモデルです」と書き、回転数とトルクを別の項目として扱っています。注目したいのは同じページの付属ビットで、NF01プッシャーには「回転速度:MAX 10,000rpm」という上限が書かれています。本体が28,000rpmまで回せても、装着するビット側が受けられる上限は別に存在するということです。カタログの最大回転数は、常用できる回転数ではありません。
入門機ほど低速が出せる、とは限らない
プチトルの公式サポートには機種別の回転数表があり、入門機として案内されているCは7,500〜14,500rpm、その上のMは4,500〜16,500rpmです。上限はMのほうが高いのに、下限もMのほうが低い。つまり「ゆっくり回して慣れる」ことを重視すると、入門機として売られているCのほうが選べる速度域が狭くなります。回転数を見るときは、最大値ではなく最小値を先に読んでください。数値の読み方はネイルマシンの回転数(rpm)の見方、上限どうしの比較は20,000rpmと30,000rpmの違いにまとめています。
速く回すほど熱くなると、メーカーが書いている
プチトル公式サポートの「基本的な使い方」には、「ビットの回転が速ければ速いほど、摩擦熱が発生して痛みを伴います」「同じ箇所をずっと削らず、一定方向に動かしながら使用してください。(往復動作は皮膚を傷付けてしまう原因となります。)」という注意が書かれています。加えて「マシンは20分以上連続運転しますと本体が熱くなる恐れがございます」ともあります。高回転は上位互換ではなく、扱いを難しくする方向にも働く仕様です。形状差については卓上式とペン型の違い、そもそも要るのかは初心者にネイルマシンは必要かを先に読むと、判断が速くなります。
関連: 卓上式とペン型の違い
関連: 初心者にネイルマシンは必要か
集塵機:マシンを使うかどうかで意味が変わる
集塵機は、他の機器が出したものを受ける機械です。削る量が少なければ吸う対象も少なく、削る量が増えれば処理が追いつかなくなります。だから「セルフネイルに集塵機は要るか」という問いは、単独では答えが出ません。先に決まるのはマシンを使うかどうかで、その答えが集塵機の必要度をほぼ決めます。手ファイルだけで済ませている段階なら、購入を保留して問題ありません。
厚生労働省の職場のあんぜんサイトが公開しているネイル作業向けの資料(2018年3月作成)には、ジェルネイルを削った際の粉じんやアクリルパウダーについて、マスクを着用するなどして吸い込まないようにすることが挙げられています。サロン事業者向けの資料ですが、削る行為そのものは自宅でも変わりません。集塵機を入れるかどうかに関係なく、削る作業には換気とマスクという別の対策が並走します。集塵機は、その対策を置き換えるものではありません。
機器選びの前に消耗品の周期を見ておくと、あとで詰まりません。交換の目安を数字で公表しているのは確認できた範囲では少なく、BEAUTY NAILERのダブルファンダストコレクター(WFD-1)が「ダスト収納ボックスの交換目安は1〜3ヶ月」と明記しているのが目立つ例です。同機は4,000rpm・40W・運転音約42dB・厚み4cmという数値も公表しています。方式ごとの違いは吸引式と袋式の違い、必要性の判断はセルフネイルに集塵機は必要か、交換品の費用はフィルター交換頻度と費用で確認できます。
関連: 吸引式と袋式の違い
関連: セルフネイルに集塵機は必要か
関連: フィルター交換頻度と費用
同じ表に載らないことを、表で確かめる
本文で触れた機種を並べます。ネイルマシンとネイルライトが1つの表にならず、2つの表に分かれることそのものが、この記事の主旨です。マシン側の列は回転数・正逆回転・ビット規格、ライト側の列は光源・W数・波長・タイマー。比べる項目が違う機械を、1本の物差しで順位付けすることはできません。
| 商品 | 形状 | 最大回転数 | 正逆回転 | 電源方式 | ビット規格 | 価格帯 | 購入 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| USB一体型 | 最大14,500rpm | 正逆回転: あり | USB | 軸径2.34mm | 楽天参考 3,640円前後 | Amazon楽天 | |
URAWA G5 | 卓上セパレート | 最大28,000rpm | 正逆回転: あり | AC | 軸径2.34mm | 公式に価格表示なし | Amazon楽天 |
列見出しをタップすると並べ替えできます。形状・回転数・電源方式・ビット規格は各メーカーの公式仕様にもとづく編集部整理です。効果や仕上がりの保証ではありません。購入前に必ず公式仕様・取扱説明書をご確認ください。価格は変動します。
| 商品 | 光源 | W数 | 波長 | タイマー | 形状 | 価格帯 | 購入 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| UV+LED | 12W | 365〜405nm | 30/60秒 | 折りたたみ | 2,480円(税込) | Amazon楽天 | |
| UV+LED | 24W/48W | 365〜405nm | 5/10/30/60秒 | ドーム | 5,500円(税込) | Amazon楽天 | |
| LED | 1.8W | 405nm | 2分点灯/10秒ごとに振動 | ハンディ | 楽天参考 6,600円前後 | Amazon楽天 |
列見出しをタップすると並べ替えできます。光源・W数・波長・タイマーは各メーカーの公式仕様にもとづく編集部整理です。硬化の可否は使用するジェルとの組み合わせに依存し、この表だけでは確定しません。価格は変動します。
ライトの表では、Cube 12WとPureLumi 24/48Wの波長がどちらも365〜405nmで、W数だけが4倍違います。前述のとおり、公式が示す硬化時間の目安はこの2機種で同じです。差が出るのは光の強さではなく、折りたたんで49gで持ち運べるか、283gの据え置きで両手を入れるか、という設置と工程の側です。ネイルキュアライト4は1本ずつ当てるハンディで、放射照度を公表している点だけが他と違います。
マシンの表では、プチトルCが7,500〜14,500rpm・45g・USB、URAWA G5が2,000〜28,000rpm・ハンドピース180g・ACです。G5は下限2,000rpmまで落とせるので、低速で当てる練習と高速の両方を1台でまかなえます。ただし前述のNF01プッシャーのように、ビット側の上限が10,000rpmという組み合わせも同じページに載っています。本体スペックだけを見て決めない、というのがこの表の使い方です。
使用を中止して相談すべき場面
削っている最中に爪や指の皮膚が熱い、痛い、赤くなる、色が変わるといったことがあれば、その場で電源を切ってください。照射中に強い熱さを感じたときも同じで、手をライトから出して照射を止めます。回転数を上げる、照射を続けて終わらせる、といった対処で切り抜けようとしないでください。症状が続く場合は自己判断で処置せず、機器のメーカーと、皮膚科などの医療機関へ相談してください。機器の不具合の相談窓口と、身体の相談窓口は別です。
よくある質問
マシンとライトは、どちらを先に買うべきですか
ジェルを使うならライトが先です。ジェルは光が当たって固まる材料なので、光源がないと工程が成立しません。マシンは手ファイルの作業を電動に置き換える道具で、削る時間を許容できるなら後回しにできます。プチトル公式が案内するオフの手順でも、ジェルを浮かせて外す工程はリムーバーとアルミホイルが担っており、マシンは表面を削る前半だけを機械化しています。
セットで買うと安いのですが、3点まとめて買ってはいけませんか
買ってはいけないということではなく、3つの必要度が同じではないという話です。ライトは手持ちジェルの対応波長で決まり、マシンは削る量で決まり、集塵機はマシンを使うかで決まります。セットの構成がこの3条件をすべて満たしているかを、同梱品の一覧と各機の公式仕様で照合してから決めてください。合わないビットや、交換品が公式に売られていない集塵機が混じると、あとから買い直しになります。
集塵機を買えば、マスクや換気は要らなくなりますか
そうはなりません。厚生労働省の資料は、ジェルネイルを削った際の粉じんについてマスクを着用するなど吸い込まない工夫を挙げています。集塵機は吸い込み口の近くに来たダストを引く機械で、机や床に落ちたぶんや空気中に舞ったぶんまで片付ける機械ではありません。集塵機を入れても、換気と作業後の拭き取りは残ります。
W数の大きいライトを買っておけば失敗しませんか
W数は消費電力を示す数字で、光の強さではありません。GRANJE公式は、LEDが主流になった現在ではW数を基準にすることにほぼ意味はないとしています。実際プチトルでは、3Wのペンライトから54Wのシャインまで、公式が示す仮硬化6〜18秒・完全硬化30〜60秒という目安が同じです。W数ではなく、ジェル側の対応波長と指定時間を先に見てください。
まとめ
3機器の関係は、ライトが工程、マシンがその工程の一部の機械化、集塵機がマシンの副産物への対処、という縦の並びです。横に3つ並べて「どれが優秀か」を比べる問いは、最初から成立していません。ライトはジェルの対応波長で、マシンは削る量で、集塵機はマシンを使うかどうかで、それぞれ別の理由から必要性が立ち上がります。
W数も回転数も、大きい数字が上位互換であることを意味しません。プチトルは18倍のW差でも同じ硬化時間の目安を公表し、URAWAは本体28,000rpmのページで上限10,000rpmのビットを一緒に売っています。次に読むなら、買う順序を具体的な予算で組む最初に買う機器の優先順位か、いちばん保留にしやすい初心者にネイルマシンは必要かが向いています。
関連: 最初に買う機器の優先順位
関連: 初心者にネイルマシンは必要か
編集部が整理した候補
折りたたみタイプのUV+LEDネイルライト。出力は12W、波長は365〜405nmで、タイマーは30/60秒。電源方式はUSB。
参考価格: 2,480円(税込)
ドームタイプのUV+LEDネイルライト。出力は24W/48W、波長は365〜405nmで、タイマーは5/10/30/60秒。電源方式はAC。
参考価格: 5,500円(税込)
ハンディタイプのLEDネイルライト。出力は1.8W、波長は405nmで、タイマーは2分点灯/10秒ごとに振動。電源方式は充電式。
参考価格: 楽天参考 6,600円前後
価格は変動します。リンク先で最新価格・在庫をご確認ください。順序は編集部が公式表示をもとに整理した目安です。
